
過去に開催された研修会のレポートを掲載しています。
第23回研修会 レポート
開催日時: 令和4年3月19日(金)14:00~15:50
開催方法:オンラインZoomミーティング
<研修会レポート>
☆ 講演 : 「腎臓病と薬 ~管理栄養士さんに知ってほしい薬のあれこれ~」
講師:公立西知多総合病院 薬剤師 古田麻衣子先生
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オンラインでの開催で、「腎臓病と薬 ~管理栄養士さんに知ってほしい薬のあれこれ~」と題して、公立西知多総合病院の薬剤師である、古田麻衣子先生にご講演いただきました。 CKDの定義や、腎臓の働きなどと併せて、CKDに対する一般的な薬物療法から、最近話題のSGLT2阻害薬、薬剤による味覚障害の副作用や経静脈栄養について等、多岐にわたる内容でした。それぞれ図やたとえ話を用いて分かりやすくご説明いただき、あっという間の90分でした。 CKDにおいて薬を服用する目的は、腎臓を保護することと、低下した腎臓の働きを助けること。(残念ながら腎臓を治す薬ではない。)そしてCKDが進行するほど必要な薬が増える。禁忌となる薬剤やサプリメントがある理由としては、①腎機能低下による排泄低下があることから、腎排泄体内に蓄積してしまう為。この場合は投与量を減らして使用出来る薬もある。②腎障害性を持つ薬剤がある場合は、できるだけ投与は避ける。 改めて、復習する機会であったとともに、いろいろ気付きの多い有意義な研修会でした。 個人的には、バナナ1本分のカリウムを吸着するのに、およそ10g(ゼリータイプならおよそ2個に相当)のカリウム吸着薬が必要という内容が印象に残りました。日頃担当している患者さんの中にも、果物の摂取時のみカリウム吸着薬を服用するよう指示されている方がみえます。『処方量に見合った果物の摂取量であったのか?』ということも意識する必要性を痛感いたしました。 講師の古田先生には、今後の益々のご活躍を期待し、先生のご講演内容を日々の業務に活かしていきたいと思います。
(偕行会 海部共立クリニック 高橋 恵理香) |
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文責:腎栄研 事務局
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第22回研修会 レポート
開催日時: 令和3年5月29日(金)13:50~17:00
場所:ウインク愛知 1102
<研修会レポート>
☆ 講演 :
「腎臓リハビリテーション」
講師:五条川リハビリテーション病院 島野泰暢 先生
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今回の研修会では、「腎臓リハビリテーション」をテーマに五条川リハビリテーション病院院長島野泰暢先生にご講演して頂きました。自施設でのリハビリの取り組み方や、透析患者さんにおいてのリハビリ介入の効果や課題、栄養管理について分かりやすく説明していただきました。
定期的な運動習慣のある透析患者は生命予後がよいが、透析実施後の血圧低下や倦怠感により透析後のリハビリは難しいこと。高齢で透析期間の長い患者は骨格筋量減少リスクが高く積極的な介入が必要であり、BMI値は25~27の範囲で生命予後がよいとのことでした。また、血清カルシウム値と血清リン値と生命予後の関係をご説明していただきました。
サルコぺニア・フレイルが問題となっているなか、大変興味深い内容でした。通院透析患者さんにおいて、性別・透析期間・運動習慣別では骨格筋量の経年変化に有意差がみられなかったという研究結果は意外だったため驚きました。
透析患者さんは非透析患者さんよりも活動量が少なくなり、時間的制約もあるため、効果的にリハビリが行えるよう、リハビリ入院する前からの運動療法や栄養管理の重要性について再確認出来ました。
今回の研修会で学んだことを日々の業務に活かすために、更に知識や考察を深められるよう努力しようと思います。
(新生会第一病院 西田華菜子) |
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文責:腎栄研 事務局
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第21回研修会 レポート
開催日時: 令和元年12月13日(金)18:30~20:45
場所:ウインク愛知 1102
<研修会レポート>
☆ 講演 :
「自分も相手も大事にした関わりとケア」
講師:オフィスJOC-Japan Okan Consultant- 代表 岡山 ミサ子先生
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今回の研究会は自分も相手も大事にした関わりとケアについてをテーマにご講演いただきました。 今回は患者側、医療側に分かれてロールプレイを行いました。研修会では病態のことや栄養療法、食事療法の話が多い中、今までとは雰囲気の異なる講演で魅了されました。
実際に栄養指導している中で、怒る患者、嘘をつく患者などはどのように対応してよいかわからないでいました。実際に患者さんに何も言えなくなってしまったり、避けてしまったりすることがありました。しかし、自分の感じた気持ち、怒られて怖かった。心配しているなど素直に気持ちを伝えてよいのだということがわかりました。また患者さんに深く尋ねていくことで患者さんが自分の世界に浸り、思いや気持ちにきづき、向き合うことができるということを学びました。
1番驚いたことは、死んでもよいと考えている患者さんに対し実際に自殺を考えているかを問うことが必要だということです。避けてきた言葉ですが、思いや感情を知るきっかけとなることがわかりました。
そして今回のテーマにもあるように、まず自分のことを大切にすることが必要と教えて頂きました。お隣の方から頂いたメッセージはとても嬉しく、気持ちが軽くなりました。今回学んだ、関わりとケアを今後の仕事に生かしていきたいと思います。
(大雄会第一病院 大野朋美) |
今回の研修は「自分も相手も大切にした関わりとケア」という内容でオフィスJOC代表の岡山ミサ子さんにご講演頂きました。
今までにないロールプレイを交えた講演で、とても楽しめる内容でした。
隣の人と互いに模擬栄養指導を行い、なかなか難しい患者さんの設定でどう会話をつなげていけば良いかとても戸惑いましたが、先生から教わったオープンクエスチョンや、要約、繰り返しなど取り入れて自分なりに積極的に取り組むことができました。
その後の先生のデモンストレーションでは、アイメッセージをうまく使ったり、TALK原則Tell(伝える)Ask(尋ねる)Listen(傾聴)KeepSafe(安全確保)を取り入れてとてもスムーズに会話されていて、見ていてすごく勉強になりました。
また、患者さんとのかかわり方のコツも教えてもらい、適度な距離で専門職として知識・経験を活かして患者の主体性を信じて関わることが大切であると学びました。
先生のおっしゃった「自分のケアができていない人間に、他人のケアはできない」という言葉がとても印象に残っています。“いのちのケアカード”というものも作成し、自分の気持ちと向き合うこともできました。今回の研修を糧に今後の栄養指導につなげていきたいと思います。(守山友愛病院 厄ハ斃活宗ヒ
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文責:腎栄研 事務局
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第20回研修会 レポート
開催日時: 令和元年5月11(土)13:30~16:15
場所:ウインク愛知 1101
<研修会レポート>
☆ 講演 :「サルコペニア・フレイルとCKD患者の食事・栄養療法」
講師:浜松医科大学付属病院 血液浄化療法部 病院教授 加藤 明彦 先生
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今回の研修会は、「サルコペニア・フレイルとCKD患者の食事・栄養療法」という興味深い内容でした。サルコペニア・フレイルは、生活習慣の乱れや加齢にCKD関連因子が加わることでさらに加速し、透析導入時期を早めてしまう可能性や、導入後のADLも必ずしも向上しないことを知りました。従来CKD患者は安静とされていましたが、可能な範囲で運動療法を行うことで身体機能を維持・改善できるとされ、運動(筋肉)と栄養の重要性について詳細なデータによる説明がありました。また、腎予後のためのたんぱく質制限が、他の疾患を助長させる可能性があること、透析に移行する可能性とその他の原因で死亡する可能性のバランスを考慮した栄養療法が必要となること、専門知識を有する多職種チーム医療の必要性も説かれました。活発な質疑応答により、スクリーニングのタイミングや頻度、具体的な栄養療法も知ることができ、大変有意義な研修会でした。
(あしたの丘 水越恵)
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加藤先生よりご講義頂きました。70歳代の3割、80歳代以上の4割がCKDであり、
75歳以上で透析に入る人が増加、2025年度の新規透析導入患者は約4万1千人と予測されるそうです。
加齢や歯の喪失による食事量の低下や栄養の偏り、運動不足等により、CKDステージG4からサルコペニア・フレイルを高率に合併し、早期の透析導入、転倒・骨折、認知症、要介護状態に結びつくので、運動と、個々の病態に応じた食事・栄養指導の介入が大切とのことでした。
CKD進行を防ぐためには、たんぱく質摂取制限が推奨されるが、高齢者CKDの場合、タンパク尿が陰性である場合は、生活機能やQOLの維持のために、透析に移行する可能性と、その他の原因で死亡する可能性、どちらが高いかを考慮し、摂取エネルギーが確保できるよう、緩やかなたんぱく質制限で良いのではと話されました。
フレイル予防のエネルギー摂取量の目安は、80歳、身長170cm、目標体重72kg、普通の労作の方を例として、エネルギー係数は30~35kcal/kg、エネルギー量の目安は2200~2500kcalになるとのことで、思わずため息が出てしまいました。
最近、透析を始められた患者様が85歳、身長180cmの基礎体重54kgの方で、食欲が無い、歯は無い、義歯も合わない状態で、これ以上痩せないようにどうやって食べていただくか?に頭を悩ませているところなのです。
透析導入後の生活は食事が不規則になりやすく、強い疲労感で食事もままならない、横になって休んでばかり、足の筋肉が落ちてしまったと嘆かれる方がたくさんいらっしゃいます。いかにサルコペニア・フレイルを防ぎ、腎機能を保ったまま自立した生活を送ることができるかは、運動と栄養にかかっています。
専門知識、技能をしっかり身につけ、患者様に向き合っていこうと強く思いました。
(春日井クリニック 水野晴代)
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文責:腎栄研 事務局
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第19回研修会 レポート
開催日時: 平成30年12月7(金)18:30~20:50
場所:ウインク愛知 1103
<研修会レポート>
☆ 講演 :「透析患者の栄養を考えるために口腔環境についてを知る」
講師:医療法人 大誠会 理事長 松岡 哲平 先生
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第19回研修会では医療法人 大誠会 理事長 松岡 哲平先生をお招きし、「透析患者の栄養を考えるために口腔環境について知る」をテーマにご講演いただきました。
貴院では管理栄養士を積極的に配置し、栄養指導の充実を図るなかで、高齢透析患者の歯の健康状態に目を向け、歯科クリニックも併設され、精力的に進めていらっしゃいます。その中で得られた透析患者の持つ歯の悩みを、貴重なデータとともに分かりやすく解説してくださいました。
透析患者の口腔環境には「唾液の分泌量が低下する・う蝕や歯周病の罹患リスクが高い・口臭を伴うことが多い・腎性骨症のため顎骨や歯牙に影響する・味覚異常を認める場合がある」という特徴があり、透析患者は健常者に比べ、口腔環境に異常をきたしやすい状況にあります。また、透析医療とともに歯科医療にも大きなストレスを感じており、歯科医療に消極的な気持ちを持っているということを知りました。
私たち医療スタッフは職種を超えて一丸となり、患者の気持ちに耳を傾け、最善の方法を患者とともに一緒に考えていくことが大切だと思いました。私も栄養指導を行う際、高齢の方が多いこともあり、口腔環境に問題がある方をよく目にしてきました。今回のご講演で、食について、まだまだ知らなければならないことがたくさんあるということを痛感し、食事の内容だけに焦点を当てた栄養指導ではなく、自分自身が患者の立場に立ち、食行動を考えた情報を提供できるように今後も務めていきたいと思いました。
松岡先生のご講演を参考に、今後の仕事に生かしていきたいと思いました。ありがとうございました。(医療法人 光寿会リハビリテーション病院 栄養士 鈴木彩加)
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今回の研修会は、透析患者の口腔環境についてという、栄養管理と密接な関係にあるテーマで、とてもわかりやすい内容でテンポ良くお話しいただきました。
透析患者さんの口腔環境は、唾液の分泌量が減少しており、う蝕や歯周病の罹患リスクが高い事、口臭や味覚異常、腎性骨症は顎骨にも影響するなど、様々な事が起こるという事がよくわかりました。
また、歯科治療時に透析患者さんは、出血や感染の問題、他の疾患を合併している方が多いため、問題点も多い事、透析に加えて歯の治療が患者さんのストレスにもなります。
歯に痛みがあると、水分を多く含む軟らかい低カロリーの食事になりがちで、それが食欲不振を伴い低栄養に陥りやすくなってしまう。栄養管理を行うには、口腔環境によって食べられる食事を考えなければなりません。
実際に栄養指導をしていても、歯が痛く硬い物が食べられないと言われる患者さんは多いです。 患者さんの口の中の状態をよく観察し、一人一人に合った栄養指導が必要だと感じました。
今回学んだ事を、これからの患者さんの栄養管理や栄養指導に活かしていきたいと思います。(済衆館病院 太田有美) |
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文責:腎栄研 事務局
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第18回研修会 レポート
開催日時: 平成30年5月19(土)14:20~15:50
場所:ウインク愛知 1203
<研修会レポート>
☆ 講演 :「循環器内科から心腎関連を読み解く」
講師:名古屋第二赤十字病院 循環器内科 部長 七里 守 先生
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名古屋第二赤十字病院の七里先生の講演は「循環器科内科から心腎連関を読み解く」の演題で心機能、薬物治療と電解質、カテーテル治療、最後に腎移植と心臓病についてお話頂きました。
はじめに心機能では心臓病・新イベント寄与因子にeGFRが大きく関連していること、腎臓の機能低下で死亡が倍になること、ペースメーカーを入れると腎機能が回復する(血流障害がない場合)、心不全から交感神経活性が上昇し、血管収縮、腎血管収縮が起き尿中のNa排泄が低下により腎臓が悪くなること、続いて薬物治療と電解質では利尿剤を使用すると状態が悪くなるが必要悪と割り切って使用していること、薬剤の使用でKが上昇するがK自体が悪いものではないと考えて見える事、カテーテル治療では先生のご施設ではPCI
:Percutaneous Coronary Intervention(冠動脈インターベンション)に占めるCKDの症例は減少気味であることや、術者の認識で少ない造影剤を使うことで造影剤腎症は予防できるとの事でした。
医師の専門分野がはっきり分かれている現在、循環器内科と腎臓を診察する診療科とはあまり関連がないと思っていましたが、今回の講演を拝聴し深い関係があることを知ることができました。今後、医師とのディスカッションや栄養食事指導の大いに役立つ意義深い研修会内容でした。
(名古屋掖済会病院 市江美津昭) |
研修会は心不全と腎臓病との関係がテーマで、心不全の基礎疾患、メカニズム、診断方法から重症度別の薬物治療指針、カテーテル治療による腎機能への影響、心臓病と腎移植の関係まで幅広い内容をわかりやすくお話しいただきました。心不全と腎機能には関連があり、CKD患者の心不全の予後は悪いため、腎機能を早期から悪化させないようにする必要があるということでした。低Na血症では、Naの追加ではなく制限が必要なこともあり、尿中Na排泄量で判断すると良いということ、また心不全で処方される利尿剤は、作用機序により尿中へのNaやKの排泄量が増減するため、採血データを見る際はどのような薬剤が処方されているかも考えると良いということなど現場で役立つ内容でした。心不全の薬物が充分に作用するためにも、CKDを悪化させないためにも塩分制限などの食事療法は重要欠かせないものであり、それは管理栄養士の重要な役割であると再認識しました。(メイトウホスピタル 今井裕美子)
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文責:腎栄研 事務局
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第17回研修会 レポート
開催日時: 平成29年12月8日(金)19:00~20:50
場所:ウィル愛知 1202
<研修会レポート>
☆ 講演 : 「“ここまでわかった糖尿病性腎症”」
春日井市民病院 副院長 成瀬友彦 先生
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今回の研修会はとても分かりやすく、糖尿病性腎症について勉強し直す良い機会となりました。
印象に残ったのは、①糖尿病性腎症には遺伝的素因があり、血糖コントロールが悪いからといって全ての人が腎症になるわけではないこと、②経済的地位の低い人ほど血中リン濃度が高いということです。②に関しては、ファストフードなどの加工食品には添加物としてリンが入っていることが多く、安くて便利なためつい手を出してしまいがちですが、腎症の患者はもちろん、私たちも加工食品に頼りすぎてはいけないのだと再確認できました。
今回学んだことを今後の業務に生かしていきたいと思います。(済衆館病院栄養科 上田典穂)
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今回の研修会では、成瀬先生より糖尿病性腎症 保存期を中心とした管理・最新の知見を踏まえた話をうかがうことができました。 糖尿病性腎症の病期により血糖コントロールの効果・重要性が異なること、DKDの概念、糸球体や尿細管における作用機序、DPP-4阻害薬やSGLT2阻害薬といった薬剤など、保存期の患者さんへアプローチする際に理解しなければならない事項ばかりでした。エビデンスや直近の傾向を詳細まで提示いただきまして、大変分かりやすかったです。合間にて、CKDに罹患した歴史上の人物、都道府県別の罹患率の傾向など興味深い話題も交えていただき、最後まで楽しく講義をうけることができました。
栄養指導・栄養管理において特に関連の深い「蛋白制限」や「血清リン値コントロール」については、蛋白質をやみくもに制限しないこと、保存期においてもFGF23の観点から血清リン値をコントロールすることがいかに重要か詳しく説明いただきました。これらの因子が患者の予後を左右させることを改めて実感しました。透析導入要因の4割以上を占める「糖尿病性腎症」をいかに進行させないか、今回学んだことを現場で活かしていきたいと思います。
(大雄会第一病院 第一栄養科 荒川聖子) |
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文責:腎栄研 事務局
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第16回研修会 レポート
開催日時: 平成29年4月15(土)13:30~16:40
場所:ウィル愛知 1101
<研修会レポート>
☆ 講演 : 「慢性腎臓病の食事療法Up Date:管理栄養士の果たすべき役割」」
名古屋大学大学院医学系研究科 CKD先進診療システム学寄付講座 教授 安田 宜成 先生
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今回の研修会は、CKD治療における管理栄養士の果たすべき役割がテーマで、管理栄養士が専門とする食事療法以外の患者指導についてのお話もあり、幅広く勉強することができました。
栄養指導の時に運動療法について話すこともよくあり、患者さんに確認すると、「歩いているよ」と言う患者さんは多いですが、今の運動量で適正なのか判断するのに困ることもありました。今回、CKD患者さんの運動目安や運動効果について具体的なお話が聞けたので、今後の運動指導に活かしていきたいと思います。食事療法においては減塩・低たんぱく食の効果についてデータを用いてお話していただきました。患者さんにとって低たんぱく食は遵守が難しい食事療法であるため、継続して患者さんに関わっていくことの重要性を改めて再認識しました。専門である食事療法はもちろんですが、その他の血圧、薬剤の知識をもっと深めていきたいと思います。(鈴鹿腎クリニック 徳永千賀)
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今回の研修会では、CKDの食事療法について安田先生にお話しいただきました。 基礎的な事からお話頂き、その上で基礎を理由付けるエビデンスや文献をご説明頂き、分かりやすく学ぶ事ができました。今回特に印象に残った事は、『管理栄養士による生活・食事指導により、腎機能の悪化が抑制できる』というエビデンスに基づくお話です。生活・食事指導の期間が長いほど、腎機能の悪化が抑制できるという内容からやはり、短期的ではなく、繰り返し栄養指導を行うほうが患者様との関係性も深まり、より綿密な指導ができるのかなと感じました。また、運動療法については長時間続ける事が重要であり、改善したい疾患や症状によって推奨される運動種類が異なることや、1日8000歩+塩分8g/日によって心血管疾患を予防するエビデンスがある事を学びました。改めて、食事と運動の重要性について理解し、食事療法だけでなく、運動療法も併せて学ぶ事の重要性を感じました。患者様やスタッフにわかりやすく伝えるためには、私自身が基礎事項だけでなく、エビデンスも含めて理解することが重要であると考えます。いつもの指導に満足せず、日々更新される情報にも目を向け、今回教えて頂いた情報を取り入れながら、患者様にわかりやすい栄養指導を心がけていきたいと思いました。(偕行会 セントラルクリニック 飯島 千遥) |
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文責:腎栄研 事務局
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第15回研修会 レポート
開催日時: 平成28年12月9(金)19:00~20:50
場所:ウインク愛知 1101
<研修会レポート>
☆ 講演 : 「慢性腎臓病と血圧」
名古屋大学大学院医学系研究科 腎不全システム治療学寄附講座 教授 伊藤 恭彦 先生
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今回、伊藤先生にCKDと血圧についてご講義頂きました。血圧を規定している因子について計算式とイラストで教えて下さったので、とても分かりやすかったです。特に糖尿病患者の起立性低血圧の原理について、末梢血管抵抗が正常な場合でも、交感神経障害によって心拍出量が減り、更に血管がうまく収縮しない事によって引き起こされると分かり、病態の理解を深めることが出来ました。また、季節によって血圧の変動があるため、季節に合わせた栄養指導の重要さも実感しました。当院では、正月の過ごし方と称して、お節の食べ方や正月の献立例などの資料を用いて、年末に栄養指導をしています。引き続き塩分と血圧との関係を患者様に分かりやすく伝えていくべく、気を引き締めて指導に当たりたいと思います。
(白楊会病院 児玉亜衣) |
今回の研修会では、伊藤恭彦先生より慢性腎臓病(CKD)と血圧についてお話をいただきました。 慢性腎疾患の増悪抑制因子としては血圧管理が重要であり、また早期治療が大切だということを理解することができました。
正常人と腎不全患者においては、食塩負荷による血圧の変動が全く異なることをグラフなどを用いてとてもわかりやすく示していただき、塩分管理の重要性を再確認できました。普段、腎不全患者への栄養指導を行っていると、「制限が厳しくて食事療法は難しいな」言われることがよくあります。透析導入時期を遅らせるために、腎不全保存期の段階での、わかりやすい栄養指導に努めていきたいと思いました。また、降圧薬の効果や副作用についての知識が不十分だったことに気づきました。薬剤による腎機能、代謝への影響なども忘れずに確認していきたいと思いました。 (新生会第一病院
重光由香) |
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文責:腎栄研 事務局
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第14回研修会 レポート
開催日時: 平成28年5月21(土)14:20~16:30
場所:ウインク愛知 1103
<研修会レポート>
☆ 講演 :
第一部「透析患者の栄養素等摂取量と栄養状態・予後との関連について」 講師:至学館大学健康科学部栄養科学科 教授 井上 啓子 先生
第二部「保存期腎不全の食事 ~簡単なことから初めよう~」 講師:偕行会 名古屋共立病院 春日 弘毅 先生
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今回の講義は、基礎からのわかりやすい内容で、食事療法の重要性をより強く感じる講義でした。いかに腎不全の末期、透析導入を遅らせるか、食事療法の必要性は大きいものであると感じました。
また同時に、糖尿病の合併症が原因で腎不全になることは、以前から数多いことはわかっていましたが、腎硬化症も高血圧・動脈硬化が多くなっている中、今後も増えていき、糖尿病性腎症と並ぶ勢いを感じます。そうなりますと、腎不全の末期、透析導入を遅らせるかのより前の疾患(糖尿病・高血圧・動脈硬化など)を悪化させないようにすることも重要となります。栄養指導の役割も大きいと思います。そのため、
栄養指導をする側が食事療法の必要性を患者さんに伝え、理解していただけなければなりません。又、数日間の一時ではなく、長期にわたる食事療法ですので、継続する難しさもあります。今回は腎不全の食事療法・栄養指導の内容でしたが、他の疾患に対する食事療法・栄養指導にも言えることですので、講義内容をしっかり受け止め、今後の栄養指導につなげていけるよう努めたいと思います。
(済衆館病院 中村友喜枝) |
今回の研修会では、井上先生よりグループ3でのデータにて透析患者の栄養素摂取状況と栄養状態・予後との関連について、春日先生より保存期腎不全の食事~簡単なことから始めよう~と題して、お話いただきました。
なかなかどの疾患でも食事摂取量と予後との関連を示したエビデンスがない中、今回の井上先生の透析患者の予後と食事の関連が示されたことで、栄養士として情報を得るばかりではなく、日常業務の中より当たり前のことでも、きちんとデータ収集を行い、なぜこうなのかを考え発表していくことの重要性を学ばせていただきました。
また、春日先生のご講演では、保存期腎不全の食事について、保存期腎不全から末期腎不全への進行を食い止める・少しでも腎機能低下を遅くするために、なぜ塩分制限が必要なのか、たんぱく質制限が必要なのかを蛋白尿の有無や血圧などのデータにて理由付けして頂き、自信を持って栄養指導の際に患者さんに指導することができるようになりました。どうしても、どういった食事がよいのかの指導をすることが多く、患者さんにはなぜこの食事が必要なのかを理由付けしていないため、なかなか指導の効果を感じづらかったため、今回のご講演は自分でも腑に落ちたところがありました。
日々の業務に今回の研修内容を役立てて生きたいと思います。
(さくら病院 音川里美) |
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文責:腎栄研 事務局
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第12回研修会 レポート
開催日時: 平成27年5月16日(金) 14:20~16:50
場所:ウインク愛知 1103
<研修会レポート>
☆ 講演 :
第一部 「前回(研究デザインおよび統計解析の実際)のおさらい-栄養評価データを使って」
第二部 「応用編-ROC解析と予後解析」 藤田保健衛生大学 学術研究支援科科長 医学部腎臓内科 特別研究員 高橋 宏 先生
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学生時代の卒業研究で統計解析を行っていましたが、苦手な統計解析は他のメンバーに頼み、避けて通ってきました。学生時代は統計解析の授業は無く、臨床の現場に必要なのかと疑問に思っていたことを覚えています。今では、栄養士も研究を行い、患者さまによりよい医療が提供できるよう、まずは統計の基礎から学ばなくてはならないと日々感じていました。
先回に引き続き、高橋先生の講演をお聞きすることができるということでとても楽しみにしていました。統計の知識が乏しいので専門用語が多く、講演に付いていくのに必死な私にとって、「オッズ比は競馬のオッズ比をイメージする。オッズ比が高いということは、配当も高いが、買った馬券が外れるリスクも高い。」というようにイメージするものや例を加えて説明してくださったので、理解しやすかったです。
まだ、統計解析を行うには、先回と今回の高橋先生の講演の資料や先回頂いた検定のとらの巻を握りしめ、見ながらでないと自信がありませんが、しっかり復習し、勉強していきたいと思いました。
(新生会第一病院 舩坂知世) |
私は前回の統計学基礎編に続き、今回の応用編のお話を拝聴しました。統計解析は普段あまり接することのない分野のため、忘れてしまっていたこともありましたが、復習を交えながら、実際に透析患者さんのデータを使用した説明はとてもイメージしやすい内容でした。その中でも「有意差がない」と思われたデータが解析方法の視点を変えることで「有意差あり」となることはとても面白いと感じました。また、量・質ともに不足ないデータは色々な角度から解析可能ということも知り、統計解析方法を学ぶことはデータ収集の際のモチベーションにも繋がると思いました。今後、データを収集する機会に携わる際にも、今回の講演を参考にさせていただきたいと思います。
(増子記念病院 戸田千佳子) |
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文責:腎栄研 事務局
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第11回研修会 レポート
開催日時: 平成26年11月28日(金) 18:30~21:00
場所:ウインク愛知 1102
<研修会レポート>
☆ 講演 : 「臨床研究をGrade upする統計解析(基礎編)」
藤田保健衛生大学 学術研究支援科科長 医学部腎臓内科 特別研究員 高橋 宏 先生
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今回で腎栄研に出席するのは2回目でした。
「臨床研究をGrade upする統計解析」がテーマで、今まで大学の講義でも、院内の講義でも聞いたことがない内容だったので、とても興味深く、当日を迎えました。
統計学についてほとんど知識がなかったので、わからない用語が様々でした。しかし、高橋先生が、「B・ディズレイリ」や「ナイチンゲール」など著名人の話も組み入れてくれながら講演して下さったため、理解しやすかったです。
まだまだ新人ということで、膨大なデータの解析をしたことが正直ありません。今後データ分析する際には、その実態に応じで平均値、中央値など、どの方法で求めるのが正確かを考えたうえで行っていくべきだと学びました。(増子記念病院 臨床栄養課 川喜田 真沙) |
冒頭で司会の浅田先生より、10年前には栄養士に関係ないと思われていた統計も、必須のスキルになってきたと挨拶がありました。最近の日本栄養士会雑誌でも特集が組まれ、研修会等でも管理栄養士はもっと研究をしなければならないとしきりに言われます。私の学生時代には統計の講義はありませんでしたが、既にそういうスキルを持った後輩もいるので、危機感を持って学びたいと思っていました。
そんな中、今回の講演テーマからも興味深く、熱のこもった高橋先生の講演はわかりやすく、とても勉強になりました。統計を学ぶにあたって、まず思うことは専門用語が多い!ということでしたが、それらを見た目で、感覚的にイメージとして教えてくださったので理解が深まりました。
歴史上の偉人「統計は嘘である」との格言も紹介され、数値の示し方によって意味が全然変わるということは印象的でした。例として高血圧と年収が相関している事実を挙げられ、それぞれ年齢によって上昇していくことも相関しているため、ある側面の結果だけをみることは危険だと学びました。解析をする立場としてだけでなく、論文を読むときの立場としても、見た目だけに惑わされないようにすべきだと思いました。
後半少しずつ難しい内容になっていきましたが、基礎編ということで最初にイメージを掴めたことが何よりの収穫です。検定のとらの巻・クイックマニュアルも資料として頂けたので、どんな検定方法を使用すればよいのか、実際に統計ソフトを使ってみたいと思いました。今後の研究に活かしていき、嘘を言わないよう、次回以降での応用編にも期待しています。(名古屋第二赤十字病院 畠山 桂吾)
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文責:腎栄研 事務局
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第10回研修会 レポート
開催日時: 平成26年5月24日(金) 18:30~21:00
場所:ウインク愛知 1103
<研修会レポート>
☆ 講演 : 「CKDの栄養管理 ~ポーションコントロール法とカウンセリング手法のポイント~ 」
名古屋学芸大学管理栄養学部 山内恵子先生
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山内恵子先生の講演はとても魅力的で、時間があっという間にすぎてしまいました。
腎臓病食の一番の問題は、どうしてもカロリーを摂るために脂質が多くなり、運動制限があるために、活動量が減ることも重なり、動脈硬化がすすむということ。
初期の段階から、バランスの良い食事をしているかをアプローチしてほしい。禁煙の勧めや、飲酒も動脈硬化の予防の観点からいうと、度を超さないように指導をすることが大切であるとのことでした。
栄養指導では、動機づけは、はっきり、くっきりと短時間ですることが大事で、イメージで伝えるほうがわかりやすいと教えていただきました。そして、食事制限ができる患者さんに対しては、どんどん実践してもらい、栄養士としては、結果を出すこと。十分な熱量が摂れていれば、たんぱく制限をしていくことが必要でその重要性を話していただきました。外食の仕方では、低たんぱくうどんやスパゲッティを持参してメニューを作ってもらうことや、塩なしでポテトを注文するなど実際の体験もふまえて教えていただきとても参考になりました。
山内先生の考案されたヘルシープレートは、糖尿病や腎臓病にも対応していて、活用法を教えていただきました。先生自身も活用され、3か月で8Kgの減量に成功とのことでした。
わかっていてもできないのは、心の問題なのです。これはアクセルとブレーキを同時に踏んでいる。栄養指導では、わかってあげたり、寄り添ってあげたり、意識の変容にはカウンセリングの手法が必要だと、患者さんの心の問題へのアプローチの方法を実際の経験を交えながら、詳しく教えていただきました。今後学んだことを、自分の栄養指導に生かしていきたいと思います。(多治見クリニック
古田久美子) |
※総会資料、アンケート結果は会員専用ページ(トップページアイコン)より閲覧が可能です。
文責:腎栄研 事務局
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第9回研修会 レポート
開催日時: 平成25年11月29日(金) 18:30~21:00
場所:ウインク愛知 1002
<研修会レポート>
☆ 講演 「日本透析医学会調査からわかる透析患者の栄養状態について」
藤田保健衛生大学 医療科学部 臨床工学科 中井滋先生
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普段の業務では、目の前の患者の食事摂取状況ばかりに目がいきがちですが、今回、中井滋先生に透析患者全体の現状と今後の推移についてのわかりやすい講演をうかがうことで、高齢化する透析患者の通院、生活環境などの問題について改めて実感することができました。また、糖尿病から透析導入する患者が最も多いということからも、糖尿病や糖尿病性腎症保存期の患者に対する栄養指導の必要性を実感し、通常の外来栄養指導はもちろんですが、当院で取り組んでいる糖尿透析予防指導にも今後加わり、栄養指導に力を入れていきたいと思います。
また、常に透析により栄養素が喪失され、慢性的な炎症などにより蛋白質消耗状態にある透析患者の、低栄養による死亡リスクや血管イベント発症リスクの高さをグラフで見ることにより、適切な栄養補給の必要性について理解を深めることができました。食事の過剰摂取を、問題視しがちでしたが、今回の講演をうかがい、コントロール良好にみえる患者が、過度の制限により栄養不足となっていないか、再評価する必要性を感じました。また、高リン血症を予防しながら、適切に栄養補給できる食べ方や食品の選び方を、患者の生活に合わせ指導していきたいと思いました。
病態と栄養状態の関係について、わかりやすく説明して頂き、大変勉強になりました。今後、実践に生かしていきたいと思います。(新生会第一病院 金井静香) |
今回のテーマの前に、まずは日本の透析患者の動向についての話があり、透析人口は2012年末で約31万人となったが、2010年頃から増加のスピードは緩み、ここ5年くらいはあまり増えておらず、このままいくと2020年頃がピークで(約35万人)それ以降、透析患者は増えないだろうと予測していますとの話があり、驚きました。食生活が豊かになり、生活習慣病、高血圧、糖尿病を患う人が増えているなかで、当然、透析患者はどんどん増えるもの、と思っていたからです。しかし、保存期の腎治療が効果をあげていたり、薬なども良くなったり、病気に対する啓発活動などの効果もあるのか、とても嬉しいことだと感じました。糖尿病患者は増加し続けているが、糖尿病で透析になる患者は増えていないそうです。患者の死亡原因1位は今も昔も心不全だが、増えてきているのは感染が原因の方だそうで、これは、高齢者や糖尿病患者など、抵抗力の弱い人が増えてきているためとのこと。心筋梗塞で亡くなる方が減っているのはカテーテル治療が発達し、命を落とすかたが減った為とのことで、改めて透析患者の最近の動向を知ることができました。
次に透析患者の栄養障害について話がありました。透析患者の栄養障害は栄養摂取障害と消耗状態の両方が合併しているとの話で原因がいくつもあり、複雑に絡み合っていることがわかりました。
その後、日本透析医学会統計調査資料からわかる透析患者の栄養状態について解説があり、血清アルブミン、%クレアチニン産生速度、nPCRが低値の患者は死亡リスクが高く、また、BMIの低い脂肪の少ない患者で死亡リスクが高く、高いBMI(肥満)の患者では死亡のリスクは明確でなかったということ、高脂血症は血管閉塞性イベントの発症リスクになるが、それ以上に低脂肪のほうが強い死亡リスクとして目立つ結果となったと話がありました。日常診療では食事の過剰摂取による体重増加やリン高値を問題にしがちであるが、実際には低栄養対策のほうが重要ではないのか?高リンはたしかに生命予後に影響あり、気をつけなくてはいけないが、間違った指導により、増加も減りリンも低くなった、と一見、良くなったかに見えて、ひそかに死亡リスクが高まっている・・という可能性があるので注意しなければならない、とのお話が印象に残りました。また、長期透析患者が、少しずつ、アルブミンも低くなり、BMIも落ちていくとの話もあり、問題に感じました。透析の器械も良くなっているのに、やはり昔からの食事制限に捉われているかたが多いのではないかと感じた。透析歴の長い方は自分なりの管理方法があるので、なかなか指導は聞き入れてもらえないことが多いが今後の課題だと思いました。まずは食べてもらうこと、低栄養にならないように指導していくことが大事だとわかりました。今後の指導に生かしていきたいと思います。(美浜クリニック 寺前理香) |
文責:腎栄研 事務局
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第7回研修会 レポート
開催日時: 平成24年12月14日(金) 18:30~21:00
場所:ウインク愛知 1001
<研修会レポート>
☆ 講演 「蛋白摂取とリンの関係、リンと寿命との関係」
~腎不全の栄養基準改定、今後の動向を鑑みて~
春日井市民病院 院長 渡邊有三 先生
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今回の研修会では、様々な論文やスタディでとても分かりやすくユーモアを交えながら春日井市民病院院長渡邊有三先生にご講演いただきました。
中でも印象的だったのは、①CKD患者であっても腎機能健常者であっても、血清リン値と生命予後に関連があること②保存期腎不全患者の高リン血症はいつから始まるかについては、血清リン値が上昇するのはステージ4~5の末期腎不全状態であるが、しかしPTHは早期から上昇していること③蛋白質に含まれる有機リンでは40~60%、無機リンではほぼ100%が吸収されるということでした。特に、③については、普段透析患者様の食事記録を確認する際、蛋白質摂取量はそれほど多くないにもかかわらず血清リン値が高めに推移する患者様に対して分析に頭を悩ますこともありましたが、リンの総量は見ていても有機リンか無機リンまでは確認できていなかったので、今後は有機リンと無機リンという違いにも視点を向けて指導にいかしていきたいと思いました。
合併症予防と生存向上を目指して、蛋白質摂取量は確保しながら栄養状態を維持し、リンの摂取は抑えることについて、リンコントロールのための背景をよく理解したうえで、患者様にとって有用な情報を提供できるよう努力していきたいと思います。明日からの臨床に活かせる内容が盛りだくさんで、とても有意義な研修会でした。(成田記念病院管理栄養室 伊藤恵理) |
今回は「リン管理と栄養指導」という内容で、学びの多い研修会となりました。
腎の食事管理はたんぱく制限が主だと考えていましたが、それだけではないということを知ることができました。今後はリンの食品の構成も考慮して進めようと思います。
勉強不足で初めて聞くことも多かったですが、渡邊有三先生のお話しは大変わかりやすかったです。 グラフや数値などによる具体的なご説明で、経験の少ない私でもすぐに理解することができました。
内容の濃い研修会で、大変勉強になりました。今回勉強したことを今後に生かしていきたいと思いました。(済衆館病院 礒永美奈 ) |
文責:腎栄研 事務局
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第6回研修会 レポート
開催日時: 平成24年5月12日(土) 13:30~16:50
場所:ウインク愛知 1002
<研修会レポート>
☆ 講演「腎不全における電解質異常 ~カリウムとナトリウムを中心に~」 中部労災病院 腎臓内科部長 志水英明 先生
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今回の研修会のテーマを聞いて、ちょっと難しそうだな…と思っていました。ところが、志水英明先生のお話しは大変わかりやすく、あっという間に時間が過ぎていました。 高K血症や低ナトリウム血症の症例を交えてのお話しだったので、イメージしやすく原因と対策が大変わかりやすかったです。お話の中で、高カリウム血症による入院の死亡率はステージ5よりステージ3・4の方が高いのには意外で、保存期からの栄養指導の重要性を再認識しました。低ナトリウム血症については、あやふやな部分が多かったのですが、先生のお話で理解することができました。また、普段の業務の中で、心電図をみることはないので、高カリウム血症時の心電図の見方を教えていただき、新しい知識が増えました。内容の濃い研修会で、大変勉強になりました。(鈴鹿腎クリニック 進藤千賀) |
今回の研修会では、日頃の臨床現場で直面することの多い電解質の代謝異常について、理解していなければならないが見過ごしてしまっているような内容を、中部労災病院
腎臓内科部長 志水英明先生にとても分かりやすく、ご講演していただきました。
実際の症例をもとに解説していただけたため、明日からの栄養指導にすぐ活用できるご指導を受けることができ、とても充実した時間となりました。私の病院で関わる患者様で同じような体験をしたことを思い出し、見落としていたことはなかったか、反省することも多かったです。
高カリウム指導一つを取りましても、実際の患者様の内服状況や体重変動、その他血液データを含めたアセスメントを行い指導を行わなければ、誤った指導を行ってしまうことを痛感しました。単純に数値が高ければカリウム除去食を指導するといったことのないよう、患者様の変化に意識を向けていきたいと思います。
低ナトリウム血症については、特に腎不全患者様のコントロールの難しさを感じました。
志水先生の美術作品を用いた楽しい解説で、時間が経つのが短く感じ、もっと講演を聞いていたいという気持ちになりました。ありがとうございました。
(大雄会第一病院 今枝由香梨) |
<アンケート結果よりコメント抜粋>
・ いろいろな症例を用いて説明していただき、わかりやすかったです。
・ 低ナトリウム血症については勉強する機会が無かったので大変参考になった。
・ 低値のリスクを充分に認識しなければならないと思いました。
・ 高Kの入院患者の投薬内容を確認してみます。
・ 基礎的な事からわかりやすく説明していただいたので、理解が深まりました。もっと詳しく病態別に聞きたいです。
・ 勉強不足のため内容が難しかったです。
・ カリウムが筋肉の中に存在するという事が改めて理解できました。
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<アンケート結果より>
☆ 今回の研修会の満足度 |
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☆ グループ活動について |

(その他のコメント)
・ 自信がない
・ 何らかの役割をはたしていないと出席に気が引けるときがある。
・ 腎臓だけを専門にしていないため他に優先したいことがあり、グループ活動は参加しづらい。
・ 途中参加だとどのように活動に参加していったらいいか。 |
アンケート結果をもとに、みなさんが参加しやすい活動方法を検討していきたいと考えています。
文責:腎栄研 事務局
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第5回研修会 レポート
開催日時:平成23年11月18日(金) 18:30~21:00
場所:ウインク愛知 1002
<研修会レポート>
今回の研修会は、私が最も苦手とする「薬」について、一般的知識から腎不全期の薬剤までという広い範囲にわたっての講義を受けることができました。
中部労災病院主任薬剤師 田中章郎先生が難しい内容を解りやすく、またソフトな口調で解説してくださり、私にとっては少しだけ薬に近づくことができたような想いです。
普段はあまり気にしていない薬の服用時間の解説や、グレープフルーツや納豆を始めとする飲み合わせに関わる注意事項に続いて、薬に関するQ&Aでは、薬で便の色が緑、白、赤色に変化するという衝撃的?なお話しもありました。後半は腎臓病に使われる薬の解説で、ACE阻害薬、ARBは腎臓の負担を軽減するために使われるといったお話しを伺いました。図表やグラフ、写真を随所に配置したスライドも興味が持て、勉強になりました。時間が限られているため、薬がどのような起序で作用するのかといったお話しまでは至りませんでしたが、挨拶に立たれた井上会長が「ぜひ次の機会に・・」とリクエストされ、私としても続編が楽しみな研修会となりました。
(岡崎市民病院 浅田英嗣) |

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文責:腎栄研 事務局
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第4回研修会及び第2回総会 レポート
開催日時:平成23年5月20日(金) 18:30~21:00
場所:ウインク愛知 902
<研修会レポート>
私たち栄養士は保存期ならば保存期,またはすでに透析導入が決まった患者様と接する機会が多く,どのような経緯でその治療を選択されたのかを知る事は少なかったように思います。第一部の服部先生の講演では,治療の選択をするには医師,看護師が中心となり,それぞれの治療法に利点と欠点がある事を説明され,患者様個々の生活に則した選択がされている事がわかりました。
第二部ではCAPDの基本からHDとの比較,合併症までを,伊藤先生より非常にわかりやすくご講義いただきました。特に印象に残ったのは「CAPDは保存期の延長である。」という言葉です。また,CAPDではHDほどリン除去量が多くないとのこと。私たち栄養士は患者様の治療選択に応え,快適に腎代替療法を続けられるよう,食事療法を支えていかねばならないと感じました。
(新生会第一病院 土井内万里)

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<アンケート結果よりコメント抜粋>
☆ 研修会① 「腎不全末期の治療選択」について |
・ 透析を受ける患者さんに偏りの無い情報を提示して、治療の選択をしていただくことが重要と改めて感じました。
・ 「医療者が患者をラベリングしてはいけない」ということと具体的な一例を挙げていただき、分かりやすい説明でした。
・ 当院ではHD導入後の患者さんしか関わりがないので、どのように導入となっていくのか(選択の説明etc)が勉強になりました。
・ 質疑応答での稲熊先生とのやりとりを、興味深く聞かせていただきました。 |
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☆ 研修会② 「腎不全治療の透析管理」について |
・ PDに関しての話を聞ける環境がなく、本でしか読んだことが無かったので実際にドクターからの話が聞けてよい勉強になりました。すごくわかりやすかったです。
・ 普段PDの患者さんと触れ合うことがないため、本日の講義は大変興味深かった。透析=HDの認識しかなかったが知識が広がり良かった。
・ 沢山の情報でしたが、時間不足・・・時間がもっとあればよかったです。
・ 腹膜患者さんと関わることが少ないですが、わかりやすく、栄養士に求められていることが明確でした。今後に生かしたいと思います。 |
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次回の研修会の内容について、腎不全の基本から高齢者への栄養指導方法など様々なご意見をいただきましたので、順次計画していきたいと思っています。
ご協力ありがとうございました。
文責:腎栄研 事務局
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第1回総会及び発会式 レポート
開催日時:平成21年11月20日(金) 18:30~21:00
場所:ウインク愛知 902
発会式および第1回研修会のレポートは,こちらから閲覧できます(PDFファイルです)。
なお,本記事は『Nutrition Care』3巻2号にて掲載したものを,メディカ出版 Nutrition
Care編集室の許可を得て転載しています。
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